島根県視覚障害者福祉協会 佐藤昌史です。
10月27日、益田市を中心に令和6年度島根県総合防災訓練が行われました。 島根県視覚障害者福祉協会も加盟している島根県身体障害者団体連合会は、 この訓練の一つとして行われたJR西日本が行った 列車退避訓練に障害当事者として参加しました。
今回は、視覚に障害を持った私を含めた3名、盲導犬2頭、 団体連合会の事務局1名、日本盲導犬協会、日本ライトハウス盲導犬訓練所からそれ ぞれ盲導犬訓練士1名、 西部視聴覚情報センターから歩行訓練士1名、私の介助者1名が参加しました。
益田駅で訓練開会式の後、訓練用の臨時列車に乗り込み、途中地震発生により停車。 線路が不通になり、列車から退避するというシナリオでした。
通常の運行アナウンスでの発車。 JR西日本の米子支社長も乗り込んでおられたこと、 すべてビデオカメラで撮影されていたこともあり、運転手さん、緊張気味のアナウンスでした。
途中地震発生による急停車。 少し体に重力がかかりましたが、盲導犬は冷静でした。 運転手さんと指令室とのやりとりも聞こえてきて、緊張感が伝わってきました。 最寄りの駅からJR職員や警察、消防が来るまでの、待っている時間の長さを感じ、 その間のアナウンスや、乗客の苦情処理、けっこうリアルに進んでいきました。 そして降車口に設置された特設のハシゴや 列車連結部の扉を開いてのシューターの設置とそれを使っての退出。
今回は、降車して退避する役はJR職員さんが行われ、 私たち視覚障害者は列車内で見学ということでしたが、 降車設備を触ることや、ハシゴは1ステップまで降りることはできました。 そしてJR職員さんとの情報交換がたくさんできました。 JR職員さんが盲導犬をどうやって退避するかということで、実際に盲導犬を抱え上げ る体験をされ、 「とても重いですね。」という感想もありました。
今までこのような障害当事者が参加できる訓練はなかったので、 とてもいい機会に参加することができました。 JRさんもとてもよかったと思います。 今後につながることを心より願います。