開府400年に沸く町、湖と城といで湯の町、ここ松江市で島根県視覚障害者福祉協会の結成60周年記念大会を開催できますことは、県下の視覚障害者福祉を考える上で誠に意義深いものがあります。これも血の滲むような運動を展開してこられた先人達の努力と関係当局・関係機関・市民の皆様のご理解とご支援の賜物と感謝するものであります。
本会は昭和24年2月に出雲市で呱々の声を上げて以来視覚障害者の理解啓発運動・各種福祉サービスの充実・ゆりかごから墓場までの福祉施設作り・年金や各種手当の創設・誰もが住みよい町づくりなどを推進してきました。
近年では活動の拠点でありますライトハウスライブラリーの新築・真の自立に向けての障害者自立支援法の見直し・障害者権利条約の批准・障害者差別禁止法の制定など障害を補って自立生活を営み、社会貢献ができるよう取り組んでいます。 しかし、一方では、唯一の生業ともいえるあん摩・はり・きゅう業の環境の悪化の改善や情報などの各種バリアの解消など課題も山積しています。
この記念大会に寄せられた福祉への情熱と団結をばねに明るい社会の実現に邁進することをここに宣言します。
平成21年6月14日
島根県視覚障害者福祉協会 結成60周年記念大会
<この10年を振り返って>
この10年を振り返り、まず喜ぶべきはライトハウスライブラリーの新築完成である。本会事務所を預かって頂き、県内視覚障害者の拠り所であるこの施設が、旧館跡地に新築されたことは法人ライトハウス関係者のみならず県内利用者全員の喜びである。
平成13年・19年と2度の中国ブロック大会成功をもあわせ本会役員を中心に全員がそれらの目的に向かって団結しそれぞれの立場において役割を果たされた愛会精神に敬意を表したい。
定着した事業として、各支部持ち回りでの福祉大会、ライブラリーと共催のら・ら・ふぇすた、一畑ウォーキング、あはき合同研修会への参加などがあり、組織の拡大充実につながるところである。
福祉制度は、基礎構造改革により措置から選択をへて、自己決定による契約の形に変わっており、その中心が自立支援法である。しかし、この制度では障害の認定や地域生活支援事業における地域格差など課題が多い。
経済的にも介護保険の導入、福祉医療費の変更、自立支援法における応益1割負担など、支出の増加に対し、年金給付額はここ数年変更されない。また、私たちの唯一の自立職業とも言えるあはき業についても晴眼業者の増加・無資格者による妨害・保険請求の煩雑さ・景気に左右される収入の不安定など、少しでもゆとりのある生活を送るための安定した収入にはほど遠く、厳しさを感じるところである。
これからの問題はその地域で可能なものは当該地域で、国の制度面については日盲連を通して私たちの要望が反映されるよう運動を続けることになる。
バリアフリー新法や補助犬法の施行あるいはボランティア活動の普及による共生の社会作りが唱えられているが、未だ視覚障害が社会の理解を得られているとは言えない。私たちも小中学校での福祉教育に協力し、進んで地域活動に参加して、草の根的に啓蒙活動を行うことが望ましい。
本会結成当時と比較すれば、生活の質も高くなったとみえ、切実な願いを唱える者も少なくなった。本会への入会者も増加しないのが現状である。しかし、前述した他にも視覚を含む重複障害者の将来、中途失明者の社会復帰、後回しにされてきた弱視者への対応、高齢者の情報入手や生き甲斐作りなど、解決すべき課題は多い。
現在の自分たちのことだけでなく、後輩たちのためにも粘り強い福祉運動を続けていかなければならない。
文責 社団法人 島根県視覚障害者福祉協会 副会長 小川義夫
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を大田市で開催
9月 点字即時情報ネットワーク事業(点字J Bニュース事業)島根県でも配信開始(島根県より島根県視覚障害者福祉協会が受託)
6月 「島根県ひとにやさしいまちづくり条例」施行
4月 盲婦人家庭生活訓練事業としての委託料が打ち切られ、新たに「視覚障害者に関する生活訓練事業」として、島根県視覚障害者福祉協会へ事業が委託される
島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を松江市で開催
島根県視障協婦人部結成50周年記念大会松江市で開催
9月 第48回中国ブロック盲人福祉大会を松江市で開催
8月 新築の県立美術館で「手で見る『ロダン展』」開催
ライブラリーでパソコン講習会はじまる→障害者情報化コミュニケーション支援事業で
10月 湯の川温泉盲老人ホームが斐川町荘原より上直江に移転新築→かんなび園に名称変更
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を出雲市で開催
7月 県視障協「島根県保険鍼灸マッサージ師会」結成に参加
2月 ライトハウスライブラリーを支援する「虹の会」活動開始
4月 介護保険制度スタート→老人ホームなどの利用は措置制度から契約制度へ、介護度に応じてのサービス利用、1割の応益負担となる
島根県西部視聴覚障害者情報センター開所
6月 沖縄サミット開催→2千円札発行
7月 島根県内の盲導犬ユーザーの会 「島根ハーネスの会」設立
視覚障害者・ボランティアその他一般希望者をメンバーとしてメーリングリスト『島根ボイスネット』がライトハウスライブラリーをホストに運用開始
10月 鳥取西部地震→鳥取県がいち早く被災地で引き続き生活しようとする住民に住宅改修補助制度スター
1月 県視障協事務局をライトハウスライブラリーに移転登記
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を江津市で開催
8月 第50回中国ブロック大会を玉造温泉で開催
(その他のできごと)
4月 島根県の事業として盲導犬育成事業開始
8月 島根県の福祉医療制度見直しで1医療機関あたり500円負担に→個人負担と所得制限導入(昭和48年以来の制度改変)
9月 ニューヨーク世界貿易センタービルなどテロによる爆破事件→世界的に不穏な流れはじまる
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を安来市で開催
日盲連婦人協議会から女性協議会に名称変更されたのに伴い、島根県も婦人部から女性部に名称変更する
11月 県視障協、業団体との共催事業で「学術研修会」を出雲市で開催
2月 島根県の盲導犬育成事業での貸与スタート。第1号は大田市在住の女性に
5月 身体障害者補助犬法成立により、「盲導犬・聴導犬・介助犬」が制度化
9月 ライトハウスライブラリー開館40周年記念式典開催、第1回ら・ら・ふぇすた開催
10月 老人保健法改正で国民の医療改変
(島根県視障協関係)
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を浜田市で開催
(その他のできごと)
2月 ライトハウスライブラリー改築のための署名活動を始める
4月 支援費制度スタート → 福祉利用は措置費制度から契約へ
6月 島根県「はつらつプラン(島根県障害者計画)」策定(平成5年5月策定の「島根県障害者対策『ダイヤモンドプラン』」以降の10年計画
12月 昭和32年に開所した盲児施設「島根ライトハウス」が盲児童減少に伴い閉演
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を平田市で開催
8月 04総体のマッサージボランティアに県視障協も参加
10月 中越地震発生(県視障協で見舞金を募り日盲連経由で被災地へ送る)
ライトハウスライブラリーが、毎週水曜日に盲ろう者ふれあいサロン開設
11月 虹の会でライトハウスライブラリー建て替えのために、チャリティー映画「夢追いかけて」を松江市で上映
12月 福祉医療制度見直しで原則1割負担を島根県が公表
1月 福祉医療見直し反対運動に県視障協運動はじめる
2月 福祉医療問題で県下の視覚障害者へ事情説明の手紙発送
福祉医療存続で島根県、県議会へ陳情と議会傍聴
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を江津市で開催
3月 平成の大合併を受けて島根県身体障害者団体連合会も組織変更(59市町村から21市町村となる)
4月 無年金者に対し、特別障害給付金制度スタート(1級5万円、2級4万円)追加
個人情報保護法施行
5月 島根県立盲学校創立100周年記念で「島根盲聾教育発生の地」の記念碑を母衣町に建立
日盲連が新センター移転改築のための1億円募金はじめる
7月 島根県鍼灸マッサージ推進協議会が提出した、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律ならびに関係法令の遵守と違法者取締りの徹底強化に関する請願書が島根県議会で採択
9月 第44回総選挙で、自民公明の与党で衆議院で議席の3分の2以上を占める
10月 福祉医療制度見直しで原則1割負担となる(全国的な流れはじまる)
障害者自立支援法成立(福祉サービスの一元化、原則1割の応益負担制度導入)
第32回中四国身体障害者福祉大会を松江市で開催
11月 JRPS山陰支部結成10周年記念式典開催
12月 しまね盲ろう者友の会設立
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を出雲市で開催
7月 松江出雲地区の大雨で.会員も3世帯が床上浸水被害を受ける
01月 松江市の有限会社ハートフルウイングが「映画の副音声化」推進で平成18年度バリアフリー化推進功労者表彰・内閣府特命担当大臣表彰受賞
3月 島根県肢体障害者協会を解散し、島根県身障者協会となる
障害者や高齢者に優しい「バリアフリー弁当」松江市の一文字家が発売
4月 障害者自立支援法実施にともない各種移行準備開始
しまね盲ろう者友の会が「盲ろう者通訳養成事業」を島根県より受託
7月 虹の会でライブラリー建て替えのためのチャリティー映画「ヘレン・ケラーを知っていますか」を松江市で上映
9月 社会福祉法人島根ライトハウス法人本部・しののめ寮が宍道町に移転新築
10月 障害者自立支援法施行(利用料の原則1割の応益負担制度導入)
千葉県で日本初の「障害者差別禁止条例」制定
12月 教育基本法改正で「盲聾」などの文言が削除され「特別支援」という標記に
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)施行
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を大田市で開催
8月 日盲連、日マ会などの全国統一運動に呼応して「8月9日」を「はり・灸」の日として、「島根県鍼灸マッサージ推進協」が無免許者撲滅のチラシを配布
9月 第56回中国ブロック盲人福祉大会を松江市で開催
10月 江津視障協結成50周年記念大会実施
3月 島根県障害者福祉計画策定
島根県身体障害者団体連合会組織活性化のための行動指針決定
4月 全国の5盲学校で校名から「盲」を削除した校名の学校登場
日本郵政公社発足で「盲人用郵便物」が「点字用郵便」・「点字小包」と表記変更
6月 国連で先住民の権利に関する宣言採択
7月 第21回参議院選挙で野党が参議院の過半数となる
初めて今回の参議院選挙で「選挙公報」の全文点訳・音訳化が実施
石見銀山世界遺産に指定
中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原子力発電所の火災発生で原発運転停止
8月 島根県立盲学校に「視覚障害者支援補助具」を展示した「センタールーム」がオープン
9月 ライブラリー改築のために図書館を松江市内の県立プール跡に仮移転
松江市「身障者等」に優待バスカード交付
10月 ライブラリー現地で起工式実施
「虹の会」ライブラリー建て替えのためのチャリティー映画「ベルナのしっぽ」を松江市で上映
郵便局民営化スタート
緊急地震速報スタート(NHK等)
12月 歩行誘導マット歩導くんで松江市の卜一ワ株式会社が平成1 9年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰奨励賞受賞
4月 益田視障協再結成
5月 新築のライトハウスライブラリー見学説明会実施
6月 島根県視障協の福祉大会並びに定期総会を松江市で開催
8月 日盲連、日マ会などの全国統一運動に呼応して「8月9日」を「はり・灸」の日として、「島根県鍼灸マッサージ推進協」が無免許者撲滅のチラシを配布
4月 ライトハウスライブラリー竣工(鉄骨で総2階建てとなる)
安来市タクシー券交付制度発足
身体障害者補助犬法に基づき「苦情・相談窓口」を各都道府県に設置
5月 障害者権利条約に20カ国が批准して発効
日盲連が西早稲田に新センター移転改築
札幌市で「全盲偽装事件」発覚、事件は聴覚障害などへも波及
6月 松江市ひとにやさしいまちづくり条例施行
教科書バリアフリー法成立
7月 北海道洞爺湖サミット開催
9月 米国の大手保険会社の倒産を皮切りに、金融経済不安はじまる
10月 日本盲導犬協会が浜田市旭町に中四国地方でははじめての「盲導犬訓練センター」を開設(愛称「パピネス」)
全国8地裁で29名の障害者が「自立支援法利用料負担は憲法違反」として一斉提訴
11月 しまね盲ろう者友の会が松江市で第14回中四国盲ろう者大会開催
12月 AMラジオを利用しての音声ガイドシステムで松江市のNPO法人プロジェクトゆうあいが平成20年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰奨励賞受賞
島根県が障害者や高齢者に対する「思いやり駐車場制度」スタート
厚労省社保審が自立支援法見直しに関する報告書公表
企業での学生の内定取り消しや大手自動車・家電メーカーなどで契約社員の派遣切りや雇い止めはじまる
年越し難民問題表面化
6月 島根県視障協60周年記念大会を松江市にて開催
7月 ライトハウスライブラリー・ボランティア連絡協議会と利用者との交流会(水木しげるロード)。JR浜田駅が新築され、見学会
1月 SPコード付き文書が第4種郵便物に指定
点字考案者「ルイ・ブライユ」生誕200周年並びに日本点字の翻案者石川倉次生誕150周年記念行事計画発表
あさひ盲導犬共同訓練センター第1回修了式で3頭の盲導犬を利用者に貸与
日本とインドネシアの経済連携協定に基づきインドネシア人介護研修生を国内の特別養護老人ホーム等へ配属
2月 自立支援法見直しについて、与党プロジェクトチームが利用者負担を「応益負担」から「応能負担」に戻すよう提言発表
3月 平成20年度第2次補正予算成立で「定額給付金」の支給決定。国民一人当たり12,000円、18歳以下と65歳以上には、8,000円を加算
あさひ盲導犬訓練センターがパピーウオーカ一の募集開始
4月 日本点字図書館が「カセットテープ」を廃止して、録音図書貸し出しを「デイジー」によるCD化に
5月 裁判員制度開始。バンクライバーン国際ピアノコンクールで全盲の辻井伸行さんが優勝。
9月 民主党に政権交代。盲導犬実働数が全国で千頭を越える。