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2022年 島根県視障協 タンデム自転車体験会に混ぜてもらいました。

2022年10月30日にタンデム自転車体験会を開催いたしました。
体験者から感想が寄せられましたので、掲載します。

名前:石田尚志
見え方:明暗が分かるくらいの見え方

(ここから)

題名:2022年 島根県視障協 タンデム自転車体験会に混ぜてもらいました。

 まずは、ヘルメットの顎ひもを合わせてしっかりと被り、左足首のズボンの端を
マジックテープで絞りました。ペダルを漕いでいる途中でズボンの端がペダルギアに
挟まれない予防です。
 そしてパイロットのかたの「ヨーイドン」の掛け声に合わせて、水平位置で留めて
置いた右足のペダルを踏み込みます。張り切りすぎて車体が右に傾くのをタンデム自
転車に慣れたパイロットのかたが踏ん張って姿勢を直してくれましたよ。
 タンデム自転車では、前に乗る人を「パイロット」、後ろに乗る人を
「ストーカ(Stoker」と呼ぶそうですが、忍び寄るストーカ(Stalker)と
スペルがほんの少し違うのですが意味は大いに違いますね。
 つまり、後ろに乗るのは蒸気機関車に石炭をくべるStokerだそうです。
 タンデム自転車はかじ取り、交差点などでのブレイキや走行路の登り降りに合わせ
ギアの切り替えは前方のパイロットがしますが、それにに併せて、後ろに乗るストー
カもペダルを同調させて漕ぎカーブでは体も傾斜させるなど一心同体の呼吸合わせが
いるわけです。前後の乗り手の声掛け愛も大切です。つまり、 後ろの座席に乗る人は、
乗せてもらうだけではなくて自転車を漕ぐ力を足すのにも、
長距離のサイクリングを達成するのにも役に立っているわけです。

二人の協力で二人ン力(ににんりき)でサイクリングを愉しめますので、余裕の力で
走行の速度や距離を愉しめそうですね。
 今回のパイロットのかたは、島根視障協主催の公道でののタンデム走行を大根島で
始めて以来、なんと3回くらいはペアになった方でした。
 今年のタンデム次点者体験のコースは宍道湖グリーンパークを北向きにでて、暫く
で西に延びるサイクリングロード2左折して、西に5キロメートルほど走り、
二つ目の橋で折り返すコースでした。前回の体験と違ったのは強めの東風のせいか、
渚で鳴いていたチドリ?の声は聞こえず、ロード脇の叢を数人が並んで一斉に草を
刈りはらうツーサイクルのエンジン音でした。
 そう云えば、我が家の近くの大庭町の馬橋川(まばしがわ)でも南岸を
一斉に草刈りする秋の地域奉仕活動の回覧板も1週間前に回ったばかりでしたよ。
 往路は追い風でしたが目的の橋からの帰り道は向かい風。ハンドルをコントロール
していただいたパイロットのかたには正面からの東風に加えて、時速12~15キロの
速度なら秒速では4メートルほどの向かい風が加わり、合わせて10数メートルに抗しての
走行になったものと思いました。二人の漕ぎ!で進みましたよ。
 思い返せば、2017年(平成29年)、タンデム自転車の同乗体験が古曾志町
(こそしちょう)の島根県運転試験場でありましたね。
 1周800メートルの周回コース、自動車ではあっという間ですが、
晴眼者のパイロットの後ろの席にストーカー?として乗せてもらい、
一緒にペダルをこいだのがタンデムとの最初の出会いでした。
 この時には、愛媛県からのタンデム走行の指導者においでいただき、
久々の自転車こぎで、ペダルを懸命に蹴って翌日太ももが
“ミイリ”で痛んだのも想いだされます。
 指導者のかたが愛媛県からおいでなのは、サイクリストの聖地として知られる
「瀬戸内しまなみ海道」が、1999年(平成11年5月1日に開通した後2010年には
愛媛・広島両県でタンデムの一般公道走行が解禁されています。
 更に 5年後、 2015年(平成27年)3月22日に尾道松江線が全線開通し、
2年した2017年(平成29年)4月1日に島根県でも、二人乗りタンデム自転車の
一般公道走行が解禁されました。全国では15番目の自治体のようです。
国土交通省はじめ島根県の整備計画で、島根県松江市の「松江しんじ湖温泉駅」と、
広島県尾道市の「尾道駅」を結ぶルートを、「やまなみ街道サイクリングロード」と
更に尾道から瀬戸内海の島々を超えて今治まで、「しまなみサイクリングロード」が続いています。
 身近では、一畑電車「松江しんじ湖温泉駅」から西へ、国道431号線の一部を
通って出雲大社まで、往復約88km、獲得標高:253mの「縁結び街道サイクリングコース」
があり、今回の体験会の会場・宍道湖グリーンパークの2階 展示場から、
道の駅「秋鹿なぎさ公園」あたりからその道のりが見えたようです。
 一畑電鉄では「サイクルトレイン」は中止中とか!
しかしサイクリングに付かれたら自転車を電車にに乗せて帰ってこれるそうでした。
 単独では風を切って走る自転車走行ができない目の見えないわたくしですが、
好いパイロットとともに、「縁結び街道サイクリングコース」や
「やまなみ街道サイクリングロード」のサイクリングを楽しめるように
身近にパートナーを探している現在です。
 更に切望するのは、眼の見えない・見えにくい若人達が躊躇いや尻込みをしないで、
タンデム自転車走行に参加してくださることです。
この度、島根県身体障害者スポーツ協会では、タンデム自転車2台を購入して
“いきいきプラザ”に配置されたとか!これは、2030年「島根かみあり国スポ・障スポ」
自分を超えろ、神話をつくれ」に具えたものと思っています。
 今年、2022年10月のわたくしは16日に隠岐の島町での島根県総合防災訓練に
盲導犬クベルとともに押しかけ参加。次いで23日は一畑ウォークでクベルと凡そ1万歩を
完歩し登り切った駐車場での秋風に感激し、そして30日は宍道湖グリーンパークからの
タンデム自転車体験会と晴れ男のコンパクトな神在り月でした。
 それにつけても、島根視障協の役員さん、ライトハウスライブラリーの職員のかた、
タンデムサイクル出雲やタクワサイクルからのボランティアの面々にもご多忙をお願いしましたね。
有難うございました。

(ここまで)