島根県視覚障害者福祉協会では、関係団体として視覚障害者支援センター(仮称)の設置を求める署名活動を行っています。下記に活動への協力の依頼文と署名用紙の趣旨を掲載しています。
令和3年8月
各 位
島根県眼科医会
公益社団法人 島根県視覚障害者福祉協会
島根ビジョンネットワーク
視覚障害者支援センター(仮称)の設置を求める署名活動へのご協力について(依頼)
時下、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、視覚障がい者が情報を得られること、社会と関わること、仕事ができること、自由に移動できることなど、健常者と同じように日々を送れるようになることは、当事者のみならず医療者及び関係団体の大きな願いです。これに対し、社会の側では法整備や福祉サービスの提供など様々な取組が進められてはいますが、まだ道半ばです。
視覚障がい者が自らの生活や就労能力を高めるためには、視覚リハビリテーション(生活訓練・職業訓練)を受けたり必要な情報を得られたりできること、それら専門的な内容を相談できる場の存在が欠かせません。現在、島根県では「視聴覚障がい者生活リハビリテーション事業」が2か所の福祉施設に委託されています。
目が不自由な方を取りこぼしなく視覚リハビリテーションや相談につなげていくため、視覚障がい者に関わる私たち医療・福祉・教育・当事者団体などで、約3年前に「島根ビジョンネットワーク」を立ち上げ、相互に協力・連絡できる体制を作りました。その結果、以前より多くの視覚障害者に手を差し伸べられるようになりました。しかし、その先にある視覚リハビリテーションや相談については、専門スタッフの不足などから、内容によっては申し込みから実施までに2年以上待たなければならない状況であり、就労継続などへの緊急な支援に応じられる体制はありません。
私たちは、視覚障がい者の日常生活や就労に関わる問題は行政が主体的に、一元的かつ一体的に取り組むことであると考えます。そのため、私たち医療者・当事者団体・関係団体は、島根県に視覚障がい者に対する視覚リハビリテーションや相談対応の安定的かつ確実な実施を訴えるために、署名活動に取り組むこととしました。
つきましては各位におかれましても、この趣旨にご賛同いただき署名活動にご協力いただきますようお願い申し上げます。
1 署名活動について
お手数ですが、氏名、住所を記載していただいた署名用紙を貴団体にて取りまとめの上、下記事務局あてにご送付ください。要望が実現できるまで、県の取り組み状況に応じて継続した署名活動を展開する予定です。
・署名に当たっては、ご本人の同意を得た代筆も可能です。
・理解できるなら未成年者も、また、県外の方も署名できます。
・できるだけ多くの方への署名協力の呼びかけをお願いします。
・用紙が不足した場合には、恐れ入りますが、署名用紙(署名欄側のみで可)を複写、または下記から署名用紙を印刷して対応いただきますようお願いします。
※ 署名用紙は、公益社団法人島根県視覚障害者福祉協会ホームページのトップにある 〔活動内容〕タブから入り、〔活動内容〕 3番目の「視覚障害者支援センター(仮称)の設置を求める署名活動について」のところからダウンロードできます。
島根県視覚障害者福祉協会ホームページ http://shimashikyo.jp
第1次集約(送付締切) 令和3年9月10日(金)
2 署名送付・お問い合わせ先
〒690-0884 島根県松江市南田町141番地10
公益社団法人島根県視覚障害者福祉協会 事務局
電話 (0852)24-8169
【署名用紙本文】
視覚障がい者支援センター(仮称)の設置を求める請願書
【請願の趣旨】
近年、医療の進展により眼疾患の治療技術が進みつつありますが、生まれつき視覚に障がいを持つ人は依然として存在し、中途で、また高齢化で視覚障がいとなる人も減ることはありません。
こうした視覚障がい者への日常生活や就労などに関わる相談対応、日常生活や就労に必要な技術を身につける生活訓練を担うセンターが切実に求められています。
島根県におかれましては視覚障がい者を包括的に支援する基幹センターの設置及び相談・生活訓練等に必要な事業費を確保されますようお願いします。
【請願事項】
視覚障がい者からの相談窓口となり、日常生活や就労に必要な訓練を行う
1 視覚障がい生活訓練等指導者や支援コーディネーターが配置された視覚障がい者支援センター(仮称)の設置
2 支援センターの運営及び事業実施に必要な事業費の確保
〈取り扱い団体〉 島根県眼科医会 公益社団法人島根県視覚障害者福祉協会
島根ビジョンネットワーク
〈お問い合わせ先〉〒 690-0884 島根県松江市南田町141番地10
電話(0852)24-8169 島根県視覚障害者福祉協会
皆さんの周りにはこんなに多く、目の不自由な方がいます。
◆視覚障がい者 島根県内の視覚障がい者は 推定 約 8,700人
(2009年日本眼科医会発表「読書をはじめ日常生活に支障があるか支障を感じている人約164万人」を基に、島根県民人口から推定)
◆身体障害者手帳保有者(視覚障がい) 2,294名
(令和2年3月末現在、島根県立心と体の相談センター資料から)
野田 佐知子さん(松江市・眼科医) 医療界からの声 |
島根県でもようやくロービジョンケアが広がりつつあります。しかし現状はどうでしょうか。歩行訓練を待機中の方が何人もいらっしゃる、中には1年以上も待機の人も、といった具合です。「えっ!」「どうしてそんなに時間がかかるの?」「なぜ?」 理由は「お金がない、人が足りない」ということです。歩行訓練などもライトハウスライブラリー業務の中で少ない予算とわずかな職員で行っています。「何とかしなくては!」
皆様のご理解の上、行政に働きかけて必要な事業費を確保できますようにご協力をお願いいたします。
佐藤 昌史さん(雲南市) 当事者からの声 |
平成12年の秋、新聞の文字が見えなくなり、車の運転ができなくなりました。会社を休み、入院治療しても視力は戻らず、パニック状態でした。半年後、社会復帰をめざし、松江市のライトハウスライブラリーで半年間、パソコン、点字等の生活訓練を受け、多いときは週3回通いましたが、通うとなると、即、歩行訓練が必要でした。その後、職業的な訓練を受けるため、大阪の視覚障害者リハビリセンターに半年間入所しました。たくさんの方に支えられ、1年10か月後に会社に戻ることができました。
私は視覚障害となりましたが、絶望しか考えられなかった心が相談を通じて支えを得られ、集中して様々な訓練を受けられたことで社会復帰がスムーズにできました。
ところが、当時の私は稀有な幸運というほかなく、現在の県内の体制は生活訓練、社会復帰への訓練を受けたくても受けられない状態です。
私のように社会復帰に向けては障害を負ってあまり間をおかないうちに訓練を受けることが必要です。そういう体制を早急につくっていただくことを切に望みます。
生活訓練とは…
視覚障がい者が日常の生活を安心して、安全に過ごせるよう日常生活動作を身につけるための訓練を言います。
具体的には、白杖を利用した歩行訓練、点字触読訓練、情報機器端末等の操作訓練などがあります。 この訓練を行う者は、一定水準の指導技術や専門知識などを持つ「視覚障害者生活訓練等指導者」資格が必要で、県内でそれを業として行っているのはわずか3名です。
【松江・ライトハウスライブラリーに2人、浜田・西部視聴覚障害者情報センターに1人】
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